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LED等、青色光を多く含む光源の健康リスク
2011.7.4 The New York Times
In Eyes, a Clock Calibrated by Wavelengths of Light

 外界から網膜に入る光の量の変化によって、我々の体内時計は24時間の周期に保たれている。この役割を担っているホルモンであるメラトニンは、夜間に体内で生成され、睡眠や様々な生物学的リズムをコントロールしている。
 網膜に光が入ると、メラトニン生成が抑制される。生物進化のなかで体内にプログラムされたメカニズムに反し、現代の町では夜間でも光にさらされる。このことによる健康被害を、科学者は理解しはじめたばかりだ。体内時計の乱れは、睡眠障害だけでなく、様々な病気の原因となる。
 あらゆる光がメラトニンを抑制するが、最近の研究で、特に青色光がその効果が大きいことが明らかになりつつある。青色光は、エネルギー効率のよい電球やガジェットで近年使用されている。
 スイスの大学の科学者が、シンプルな実験を行った。13名の被験者に、2週間の間、毎晩寝る前にパソコンの前に座るよう指示した。最初の1週間、毎晩5時間、旧式のモニター(青色光が少ない)を使用した。次の1週間、LEDのモニター(2倍の強さの青色光を含む)を使用した。「驚いたことに、その差は歴然だった。」LEDを使用した場合のほうが夜間のメラトニンの増加に時間がかかり、その量も少なかった。また、記憶・認知に関するテストを行った結果、LEDモニターを使用した後のほうがスコアが良かった。これは(完全に証明されてはいないが)青色光によってメラトニンが抑制され、脳が活性化していることを示している。科学者は言う「LEDモニターは人体に刺激を与え、睡眠に向かうことを妨げる。電源を切った瞬間にその影響がなくなるのではない。その影響は体内でしばらく続くことになる。」
 人工光が登場してすでに120年余り。以前の電球は、赤色側の波長の光が多く含まれていた。科学者たちが懸念しているのは、我々の世界が青色側の波長の光に満たされつつあることだ。パソコン、テレビ、携帯電話など、エネルギー効率の良い(青色光を多く含む)光源への置き換えが進んでいるのだ。
 また別の研究によると、一般に考えられているよりずっと少ない量の光でさえ、メラトニンに影響を与えることが示された。通常の明るさの室内照明によっても、メラトニン生成は消灯後90分程度遅れると言う。
 これらの研究が、私たちの生活にどういう影響をもたらすだろう?専門家の中には、夜遅くまで人工光に当たることは様々な健康被害の原因となると考える者もいる。たとえば昨年発表されたある報告では、夜間光を浴びたネズミと通常の光環境で過ごしたネズミを比較実験した結果、同じカロリーのえさが与えられたにも関わらず、前者のほうが肥満となった。
 夜間光と乳がん罹患率の関係は、20年にわたって研究されている。まだコンセンサスは得られていないが、それでも2007年にはWHO(世界保健機関)が「深夜に及ぶシフトワークはおそらく発がん要因である」と宣言した。研究者の中には、自然光をほとんど浴びないシフトワーカーにとって、青色光の影響は特に大きいという者もいる。
 研究者たちは、未来の光源は朝昼晩の生活リズムに合わせて波長が変化するものが望ましいと考えている。NASAのスタッフも、国際宇宙ステーション内の照明についてそのようなものにすべきか、関心を示している。

http://www.nytimes.com/2011/07/05/health/05light.html?_r=1
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