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生物学者と天文学者が協同して光害を議論-カナダ
2010.07.07 Nature
 7月に開催された保全生物学の国際会議では、人工光による野生生物への様々な影響が焦点であった。この会議は、変わったことに、天文協会の後援のもと、天文学者と保全学者が一堂に会し、不要な夜間照明の根絶が議論された。
 人工光は渡り鳥やウミガメに深刻な影響を与えていることが知られている。他にも様々な生物が、視覚的に惑わされたり、概日リズム・季節的リズムが乱されたりし、ストレスホルモンの上昇などに繋がっている。
 ある発表では、カエルやカタツムリの幼虫が、自然光と人工光の下で成長率が異なるという証拠が示された。海岸に住むある種のネズミ(Beach mouse)は、天敵から逃れるためえさ場が制限させられている。サンショウウオは人工光の下では陰から出ようとせず、ある種のコウモリは明るいエリアを飛行せず、えさ取りが制限されている。
 研究者たちは、このところのLED照明の増加にも注意を払っている。LEDはエネルギー効率の良さから環境面のメリットが謳われているが、全ての波長の光を含む、すなわち従来の光源よりも太陽光に近いため、多くの生物を困惑させる可能性がある。
 IDAのDuffek氏は、質の良い照明を使えばエネルギーを節減でき、居住エリアでは照度を低めにしたほうが安全性は高まる、と説明する。光源に適切な覆いをつければ、道路の安全性を脅かすグレアを軽減し、さらにボーナスとして、きれいな星空も見えるようになる、と言う。
 カナリア諸島で活動する団体Starlight Initiativeは、2007年の宣言「暗い夜空の保護と星空を見る権利」の中で、人工光に汚されていない夜空を楽しみ、宇宙に思いを馳せることは、他のあらゆる権利と同等の、人々に与えられた権利であり、人類の発展と生物多様性の保護に重要なことである、としている。

http://www.nature.com/news/2010/100707/full/news.2010.339.html
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町田市、調光機能つきLED街灯を導入
2010.11.30 東京新聞
 「明るすぎ」「まぶしい」との指摘があるLED街灯だが、町田市は試験的に調光機能付きのものを導入。まだ市販はされていないが、メーカーに特注した。住民アンケートを経て、本格導入の可否を探る。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20101130/CK2010113002000018.html

 LEDは光源の輝度が高いため、直接目に入った場合のグレアが大きな問題となります。この町田市のケースの場合、グレアを感じない輝度と、十分な路面照度が両立できるのか、試験導入の結果を待ちたいと思います。
 LEDは調光制御が容易に実現できるのがメリットです。このブログでも何度か紹介していますが、外国では街灯を一括調光制御して、人通りの多い時間帯は明るく、夜中は暗くしてエネルギーの節減・光害の軽減を実現しているケースがあります(2010/11/27のエントリーなど)。日本でも早期に実現することを期待します。
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市民によるウミガメ保護活動の成功-アメリカ
2010.06.03 Baldwin County Now
 アラバマ州の女性Boehm氏が、そのウミガメ保護活動に対して米国魚類野生動物保護局から表彰を受けた。アラバマ州ガルフショアーズ(Gulf Shores)やオレンジビーチ(Orange Beach)では、1990年代後半、ウミガメの産卵はほとんど見られなくなった。町が急速に発展し、ウミガメは深刻な光害の影響を受けた。2001年、この問題に対し地元でBoehm氏率いる「シェアビーチプログラム」が発足し、今では95%の子ガメが孵化後に海にたどりつけるようになった。
 Boehm氏らは、一般の人々に、ウミガメを守るための簡単な方法を教えてきた。いくつかの組織・団体から援助を受けながら、啓蒙のためのパンフレット、マグネット、ドアノブサインなどを多数配布してきた。2001年以来、2万匹以上の子ガメが命を救われたと考えられる。

http://www.baldwincountynow.com/articles/2010/06/03/local_news/doc4c07ad6c99c6e964105915.txt
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海岸清掃活動の夜間化はウミガメを死へ追いやる-アメリカ
2010.06.18 The Florida Seminal
 4月に起きた原油流出事故を受け、フロリダの海岸でも清掃活動が行われているが、このところの異常なまでの高温多湿の天候のため、清掃活動を少しでも快適な夜間に行う動きが広がっている。しかし、夜間にビーチを明るく照らすことは、大きな過ちだ。孵化シーズンを迎えているウミガメの赤ちゃんが、明かりに引き寄せられてしまい、命を落とす危険性があるからだ。
 BP社の作業員は、夜間作業を行うよう指示されている。タールボール(油粒)は温度が低いときのほうが回収しやすいこともその一因である。BP社の広報によると、大量の照明を使っているが、ウミガメにも配慮しているという。
 フロリダでは毎年数千匹の子ガメが、人工光による誘引により命を落としており、ウミガメ保護の観点から深刻な問題となっている。

http://my.firedoglake.com/jimwhite/2010/06/18/nighttime-beach-cleanup-will-be-deadly-for-sea-turtle-hatchlings/
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世界規模の光害啓蒙イベント、Globe at Night
2010.05.27 Tucson Sentinel
 国際ダークスカイ協会(IDA)が5年前から行っている光害啓蒙の取り組み「Globe at Night (GaN)」は世界中に広がっており、2010年は86ヶ国から17,800地点での測定結果が寄せられた。最も測定地点が多かったのは、IDA本部のあるアリゾナ州で、1,800地点であった。GaNでは、一般の人々にオリオン座周辺の星の見え方(どの明るさの星まで見えるか)を観察・報告してもらい、世界中で比較する。これにより、過剰な人工光が環境に影響を与えていること、暗い夜空という自然財産が失われつつあることを認識してもらうことが目的である。
 
 アメリカ人の3分の2は、自分の家から天の川を見ることができない。99%の人は、自然の状態よりも明るい夜空を見ている。アメリカ国立光学天文台(NOAO)の教育部門が5年前にアリゾナとチリで始めたGaNは、昨年の世界天文年(IYA2009)の主要プロジェクトの一つとなるまでに成長した。NOAOのConnie Walker氏がリーダーを務める同部門は、「Dark Skies Awareness」と銘打った市民対象の様々な光害啓蒙活動を行っており、その中にはGaNの他、「Great World Wide Star Count」「International Dark-Sky Week」などがある。「Earth Hour」も世界中で大きな成功を遂げている。世界中の数百の都市が、毎年3月に照明を消灯するイベントである。

 NOAOはGaNプロジェクトを、サイエンスに関心のある小中学校教師と連携することなどにより、大きく広げていった。生徒たちは大いに関心をもって参加し、自分の手で観測データを取り、コンピュータを使ってデータを送り、プロジェクトに参加することに夢中な様子であった。ある教育者は言う。「光害というトピックには、環境に対する強いメッセージと、夜空を美しいと感じる心(センスオブワンダー)の教育がある」「このプロジェクトに参加することにより、多くの生徒は自分のライフスタイルを見直し、地域の人々と共にエネルギーの消費を少なくするよう努力をはじめる。彼らにとって大きなインパクトがあるようだ。」

 GaNへの報告が多かったのは、アリゾナ州の他、ミシガン州(1200地点)、ウエストバージニア州(1000)、プエルトリコ(1000)、ポーランド(800)、ルーマニア・チリ(600)、チェコ(400)、アルゼンチン(300)、ハンガリー・カナダ・イギリス・韓国・中国(200)である。中国・ブラジル・キューバからは今年初めて報告があった。2011年も3月に実施される予定である。

http://www.tucsonsentinel.com/local/report/052710_darkskies

Dark Skies AwarenessのHP
http://www.darkskiesawareness.org/

Globe at NightのHP
http://www.globeatnight.org/index.html

記事中にも登場しているConnie Walker氏とは、定期的に連絡を取り合っています。GaN等のプロジェクトに関心のある方は、管理者までご連絡ください。
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